「欲望と幻想の市場」エドウィン・ルフェーブル

おれが言いたいのはこういうことだ。500株買える資金があったとしよう。もし投機するのならば、一度に買ってしまうなということなのだ。単にギャンブルがしたいというのならば、おれのアドバイスはただ一つ―—やめとけ、だ。もし最初に100株買って、損が出たとしよう。なぜさらに株を買い増す必要があろうか。そんな時には少なくとも短期的には、自分が間違っていたことをただちに悟るべきなのだ。

ただの愚か者は、いつでもどんな時でも誤った行動をとる。しかし、いわゆるウォール街の愚か者の場合、常に相場に参加していなければならないという強迫観念から過ちを犯すのだ。毎日売ったり買ったりすることの正当性を説明することは誰にもできないし、そもそもそんなやり方には知性の片鱗もないと言える。

若い頃に得たもう一つの教訓は、ウォール街では目新しいことは何もない、ということだ。投機という行為がはるか昔から行われていたことを考えれば、当然でもあろう。今日相場で起こっていることは、かつて起こったことであり、将来再び起こるであろうことなのだ。